学校が近くなるにつれて、周りの声が少しずつ聞こえてくる。

「ねぇ、また覡くんと地味子が一緒に登校してるよ〜」

少し離れているけど声が大きなせいかはっきりと聞こえてくる女の子達の声。

「あの二人幼なじみらしいよ？」
「ね〜覡くんは優しいから、あんな幼なじみでも仲良くしてあげてるんだよ」

｢｢だよね〜！！｣｣


っ…。私の陰口が、しっかりと耳に入ってくる。
いつも言われてるけど、今日は特に言われてる気がする、新学期が始まるから、噂もまわりやすいのかな…。

下を向いてないとれいくんに泣きそうな顔が見られそうで少し俯き気味に歩いた。


もちろん。隣にどんな気持ちでれいくんが歩いてるのかも知らずに。