「サリーシャ。そなたの気持ちはよくわかったが、褒賞がなしというわけにもいかぬ。なにか他に、欲しいものはないか?」
「欲しいもの? すぐには思いつきません」
「そうか。今回の件で、事件解決に大きく貢献したアハマス卿にも褒賞があるだろう。近日中に王都に召喚がある故、その時までに何が欲しいか考えておいて欲しい」
「わかりましたわ」
サリーシャはコクリと頷いた。本当に欲しいものなどなにもないが、なにも与えないというのも王室として具合が悪いのだろう。
「──そう言えば、マオーニ伯爵には一足先に褒賞を与えておいた。サリーシャの功績は、現段階ではマオーニ伯爵家の功績にもなるからな」
「お義父様に? 一体何を?」
「単純に、金一封と陛下と俺直々の礼の言葉だ。ついでに、俺がマオーニ伯爵領に視察に行く際はガランタの村も見たいと伝えておいた」
「まあっ!」
サリーシャは驚いて両手で口を塞ぐ格好をした。



