セシリオは顔を上げると、少し戸惑ったような顔をした。そして、心配そうにサリーシャを見つめる。
 サリーシャは一度フィリップ殿下の方を見てからセシリオの方を向き、大丈夫だというように小さく頷いて見せた。フィリップ殿下はその様子をじっと見つめている。

 少し不安げに眉を寄せたセシリオはサリーシャが承諾したのを確認すると、大きな巨体をのっそりと起こし、すごすごとドアの方へと向かった。