ブラウナー侯爵は挿絵の一つを指差した。挿絵では、足先から頭の天辺まですっぽりと包み込むようなプレートアーマーが描かれていた。アハマスの領主館にある、接客用晩餐室に飾られているプレートアーマーもこのタイプだ。
「厚みを増せば当然これよりさらに重くなる。着ているだけで体力を奪われてしまいます。それに、風を通さず中に熱が籠る。ですから、最近の鎧は生命線である胴体を守ることに特化した構造になっているのです」
「三十キログラム!」
サリーシャは驚きの声を上げた。三十キロと言えば、そこそこ大きな子どもを抱えて戦っているようなものだ。想像をはるかに超えている。いくら男性でも、そんなものを着て素早く行動するのは無理だろう。
「それから、こちらは武器ですね。サリーシャ嬢もご存知の通り、以前は剣や弓、クロスボウが主流でした」
ブラウナー侯爵は本のページをめくると、これも順番に挿絵を指さして説明してゆく。



