「俺に謝る必要はない。ただ、クラーラ達には一言労いの言葉を掛けてやってくれ。きみのことをとても心配していた」
「……はい」
きっと昨晩、クラーラ達はサリーシャを探してとても心配したに違いない。サリーシャはとても申し訳なく思った。
「俺とは、お互いにもっと話をしようか? 俺たちはどうやら二人とも、察しが悪いようだ。またこんなことが起こらないように、沢山話をしよう」
サリーシャは自分の腹部に回ったセシリオの手を見つめた。温かくて、サリーシャの華奢な手とは全く違う、ごつごつした大きな手だ。この手を二度と放したくはない。だから、自分も思ったことや言いたいことは言おう。そう思った。
「きみを不安にさせないように、伝えたいことがある。きみが俺の妻になるからこそ、教えるんだ」
セシリオの片腕がサリーシャから外れると、カサリと紙の擦れる音がした。
「サリーシャ。これを見て」
サリーシャはセシリオが前に回した手に持っているものを見つめた。三通の封筒だ。どれも封蝋に王室の印が押されている。
「……はい」
きっと昨晩、クラーラ達はサリーシャを探してとても心配したに違いない。サリーシャはとても申し訳なく思った。
「俺とは、お互いにもっと話をしようか? 俺たちはどうやら二人とも、察しが悪いようだ。またこんなことが起こらないように、沢山話をしよう」
サリーシャは自分の腹部に回ったセシリオの手を見つめた。温かくて、サリーシャの華奢な手とは全く違う、ごつごつした大きな手だ。この手を二度と放したくはない。だから、自分も思ったことや言いたいことは言おう。そう思った。
「きみを不安にさせないように、伝えたいことがある。きみが俺の妻になるからこそ、教えるんだ」
セシリオの片腕がサリーシャから外れると、カサリと紙の擦れる音がした。
「サリーシャ。これを見て」
サリーシャはセシリオが前に回した手に持っているものを見つめた。三通の封筒だ。どれも封蝋に王室の印が押されている。



