ヘーゼル色の瞳が心配そうに覗き込む。サリーシャはまっすぐにその顔を見返し、微笑んだ。

「いいえ。閣下ならば、怖くはありません。むしろ、とても……とても嬉しいのです」

 そう、嬉しいのだと思った。
 この人と結ばれることが、とても嬉しい。

 セシリオは少し驚いたように目をみはると、少し照れたのか眉根を寄せる。サリーシャはその様子を見て、ふわりと笑う。誰よりも勇敢でありながら、こんなにも可愛らしいこの人が、心から愛しい。

「約束だ。きみのことは、必ず幸せにする。だから、ここにいろ」
「……はい」

 サリーシャが頷くと、セシリオが優しく微笑む。
 慕っている人に愛されるとは、なんと幸せな奇跡なのだろう。
 その幸せを噛みしめながら、サリーシャはそっと目を閉じた。