また数日後、私は放課後先生に呼び出されて、提出したノートを教室に運んでいた。この授業の連絡係だからね。

「……それにしても、結構重いなぁ……」

三十人以上のノートを全部一人で持たせるなんて、先生も鬼だよね。腕が疲れて震え始めてる。

「教室までまだ遠い……!」

フラフラしながら階段を登ろうとした時、「何してんの?」と声をかけられる。振り向けば、赤っぽい髪をしたかっこいいと可愛いが混じった顔の男子がいた。同じクラスで、部活も同じの赤井練(あかいれん)くんだ。家も近くで、幼なじみという関係でもある。

「実は、先生にノートを運べって言われちゃって……」

「じゃあ、俺が半分持つよ」

私が断る前に、練くんは私の手からノートをほとんど奪っていく。

「練くん、いいよ。私が頼まれたんだし」

「いいって。ノート持ってたら足元見えないだろ?転んだら怪我するしさ」

あと、今日は遅いから一緒に帰るぞ。危ないから。そう頬を赤くしながら練くんは言う。練くんは心配性だ。