その日の帰り


結愛ちゃんと昇降口へと向かっている途中、裏庭に鈴村くんがいるのを廊下の窓から見つけた。


「あ、鈴村くんだ」


そうポツリと小さな声で言うと、結愛ちゃんに聞こえていたみたいで


「ほら!1人でいるっぽいじゃん!チャンスだよ!」

と言って背中を押された。



「うん!私行ってくるね!」


「私くつ箱のところで待ってるからね〜」



結愛ちゃんの声に返事をして裏庭まで走った。


どうやって話しかけたらいいかとか、何の話をしたらいいのかとか、色々考えなくちゃいけないけど、それよりも早く行かなくちゃ鈴村くんが帰っちゃうかもしれない。


とにかく急いで、走らなくちゃ!!