主人と好きな人。


夕日が沈む時間まであたしと龍之介は一緒にいた。
夕方からバイトだと言う龍之介と電車の中で別れた。

「じゃあまたね。」

「うん。今日ほんとにありがとう。」


あたしがお礼を言うと龍之介が私に握手をするように手を出てきた。
なにも考えずあたしも手を差し出すと手首を掴まれ、ギュッと抱きしめられてしまった。


「・・・・・ッ・・・龍之介?」

「・・・・ほんとにありがとうはこっちのセリフだよ?また、何かされたら言ってきてね?」


耳元で囁くように言うと、そっと体が離れた。
そして、いつものような笑顔で私に手を振る龍之介。
電車のアナウンスがなり、あたしは電車を降りた。
振り返って電車の中を見ると、大きくてを振る龍之介がいる。
さすがに恥ずかしくなり、あたしも小さく手を振った。

電車が出発しあっという間に龍之介が居なくなってしまった。




ねえ神様。


普段の生活を行いながら


あたしは神様の存在を考えることなんて無いよ。


なんなら信じてもない。


でも神様。


あなたがもし本当にいるとしたら



龍之介と出会えたことに感謝します。



あたしのボロボロになった気持ちを



あの海で見た砂みたいに



サラサラにしてくれたのは龍之介でした。