――月に一度のこの日を、私はとっても楽しみにしている。 



「ルーシー、気をつけて行くのよ?」


お気に入りの青いワンピースのシワを伸ばしていると、

お母さまは産まれたばかりの弟のアランを抱っこしながら城の踊り場まで見送ってくれる。

寝てていいって言ってるのに。


「もう、6歳になったから庭園くらいひとりで大丈夫よ、お母さま。まだお身体つらいんだから、寝てないとだめよ?」

「ふふふ、はいはい、楽しんでいらっしゃい」