「その大切なお話を聞くには、ヘンリーの言うとおり、あなたがもう少し大きくなる必要があると思うの」

「大きくって、どのくらい?」

一日? 一週間?

彼には一ヶ月に一度しか会えないから早くしないと!

そんなふうに考えていたら、なぜだか授乳を終えたお母さまが、ほっぺたにキスをしてくれた。


「それは、ママにもわからない。でも、しっかりと自分の気持ちがわかるようになって、立場やヘンリーの気持ち、それらを全て真摯に受け入れられるようにならないと⋯⋯ね?」


立場⋯⋯? 気持ち? 


お母さまは、それ以上何も教えてくれなかった。


ただね。思ったの。


『ヘンリーとずっとずっと一緒にいられたらいいな』って


今夜。お父さまにも、報告してみようと思うの。




―― END ――