若旦那の恋は千鳥足





「しつこいけど…ひとりになっちゃだめだよ。
どんなことが起きるか、わからないんだから。」

帰りの車の中で、柚希さんに念を押された。
うん、その通りだね。
あんな怖い目にあったんだから、これからは言うことを聞くよ。



「あ、あの…柚希さん…
あれ以来、麗華さんは……」

柚希さんはすぐには返事をせず…



「……正直に言うね。
実は、まだLINEや電話は来てる。」

「やっぱり……」

「みんなわかってくれたけど、麗華だけはダメなんだ。
麗華の番号は拒否したけど、彼女、新しい携帯を買ったみたいでね。
知らない番号だったけど、知り合いかもしれないって、つい出ちゃったんだ。
LINEはグループLINEに送ってきたりするしね。
そこで変なこと言われても困るから。
それに、医師会の集まりでもどうせ顔を合わすから、完全無視ってわけにもいかなくてね。」

「そうなんですね。
あの…おかしなことをお訊きしますが、私が麗華さんに、その…い、命を狙われるようなことはないでしょうか?」

遠回しにだけど、私は気になってることを訊ねてみた。