若旦那の恋は千鳥足





由香はすっかり、柚希さんのことを気に入ったみたいで、早く結婚した方が良いとすすめるようになって来た。
恋愛経験の豊富な由香がそんな風に言ってくれたら、鬼に金棒だ。



麗華さんも全く現れない。
何か異変があるわけでもない。
もしや、やっと諦めたか??
同僚の態度は相変わらず。
というか、なんかもはや私は無視されてるような気がする。
必要最低限の会話しかないし、お昼はひとりで食べてるし。



寂しいし、嫌な気分だけど、仕方ないよね。
まぁ、いざとなれば、私は寿退社という手もあるし。
うん、大丈夫。
このくらいなら、なんとか耐えられる。



今日は、柚希さんから少しだけ遅くなると連絡があった。
近くに行ったら連絡するから、会社にいてって。
いつもは下に降りたら、柚希さんがすでに待っていてくれる。
遅れるっていっても、まぁ、10分か20分くらいだということだから、大したことは無い。



(もうそろそろかな?)



まだ柚希さんから連絡はなかったけど、会社にいるのもなんだから、私はゆっくりと下に向かった。
エレベーターに乗ったらすぐに着く。



外に出たら、いつもなら青い車が停まってるんだけど、今日はいない。



(柚希さん、まだかな?
……え!?)



辺りを見渡していた時、私の視線はあるところに釘付けになった。