若旦那の恋は千鳥足

「ひとみ、良い人と巡り会えて良かったね。」

「え?う、うん。」

由香は、柚希さんをだいぶ気に入った感じ。
由香が良いっていうのなら、きっと良いんだよね。
とりあえず、私よりは見る目は肥えてると思うし。



「柚希さん、ひとみのことをどうぞよろしくお願いします。
この子、ちょっと抜けてるところもあるけど、良い子ですし、家事はけっこう出来ますから。
幸せにしてあげて下さいね。」



(由香……)



「はい。もちろんです。
これからも、ひとみさんと仲良くしてあげて下さいね。」



わぁ、柚希さんまでそんなことを!?
なんか、じんわりしちゃうよ~


三人でスイーツを食べて、他愛ない話をして…



柚希さんに電話が掛かってきて席を外した時、由香がそっと囁いた。



「さっきの人、私の勘違いだったみたい。
だいぶ前に帰ったよ。」

「えっ!?そうなの?」

振り向くと、あの人がいた席にはもう誰もいなかった。
安心して力が抜けた。



だよね。いくら麗華さんでも、私を殺そうとまではしないよね。
だって、捕まったら、刑務所に行かなきゃならないんだから。
わざわざ柚希さんと離れるようなことなんてしないよね。
ほっとしたら、なんかおかしくなって来て…



「……どうしたの?」

「え?ううん、なんでもない。」