若旦那の恋は千鳥足

(わぁ……)



この人、お金持ちなんだな。
外車に乗って、タワマンに住んでるんだから、当たり前だけど、部屋の中も高価そうな
家具や新しい感じの家電があった。



「そこらに座って。」

「は、はい。ありがとうございます。」

広いリビングの、革張りのソファーに私はそっと腰掛けた。
リビングは広い窓が続いてて、遠くまでの景色が一望出来る。
高い所は苦手だから、ちょっと落ち着かない。



「はい、どうぞ。」

なんと、柚希さんがお茶を運んで来た。
良い香りを放つロイヤルミルクティーだ。



「あ、ありがとうございます。」

まさか…睡眠薬なんて入ってないよね?
初対面の人が出してくれたものは、やっぱり危険?
でも、いらないなんて言えないし…
柚希さんは、ごく自然に飲んでいる。
当然だよね。
自分が飲むものに、睡眠薬なんて入れるはずがない。



「……あれ?飲まないの?
ミルクティー、好きなんでしょ?」

「え?は、はい。い、いただきます。」

大丈夫、大丈夫。
きっと、何も入ってない。
断れないから、私はそんな風に言い聞かせてミルクティーに口を着けた。
うん、美味しい。
おかしな味はしないから、きっと大丈夫なはずだ。