若旦那の恋は千鳥足

「柚希は、嫁の実家に頼らんかて自分の力でやっていけるんや。
だから、あんたのご実家が病院やろうとなんやろと、そんなことは関係ない。
なぁ、柚希?」

雪乃さんの言葉に、柚希さんが頷く。
不思議だけど、みんな、私の味方っぽい?
というか、麗華さんのことがあんまり好きじゃない感じかな?
まぁ、確かに押しが強すぎるからね。
私もこういうタイプの人は苦手だもん。



麗華さんは不敵に微笑む。
何?どうして微笑むの?



「今日のところはお暇しますが、私は諦める気はありません。
柚希さんに相応しいのは私ですから。
皆さんもきっとそのうちそのことに気付かれるはずですわ。
では、ごきげんよう。」

麗華さんは、去っていった。
その場にはなんとも言えない、気まずい空気が立ち込めていた。



「柚希…えらい女と付き合うてたんやな。
あの人、簡単には諦めへんで。」

「弁護士に頼んで、慰謝料を……」

「そんなことであの人が諦めるかいな。
ほんま、困ったなぁ。」



部屋の空気はなおさらどんよりと重くなっていく。



ご両親と夏希さんは揃って暗い顔をされてるし、雪乃さんは眉間に皺を寄せている。
なんか言った方が良いんだろうか?
でも、何を?