若旦那の恋は千鳥足

「え、えっと…ふ、普通です。」

「普通…ねぇ。」

柚希さんはまたくすくすと笑ってる。
感じは悪いけど、なんか今日の柚希さんは機嫌は良いのかもしれない。
そう思うと、私もちょっと嬉しいな。



柚希さんは、地元なだけあって、龍馬にもわりと詳しい。
龍馬が隠れてた場所やら襲われたお店を案内してくれた。
龍馬縁のお土産もノリで買った。
お母さんや由香や職場の人に。
龍馬って、私はあんまり知らないけど、人気のある人だから、きっと喜んでもらえるよね。



「お腹減ってきたね。
そろそろお昼にしようか。」

「そうですね。」

「何か食べたいものはある?」

「食べたいもの…」



そりゃあ、やっぱり京都っぽいものが良いよね。
でも、京都っぽいものって、何かなぁ?



(あ……)



私の目に入って来たのは、『酒粕ラーメン』の文字。
酒粕って、粕汁を作るやつだよね?
遥か昔に食べたことがあったようななかったような…



「柚希さん、酒粕ラーメンなんてどうですか?」

「そんなのが食べたいの?」

「は、はい。」

「じゃあ、そうしようか。」



やはり、蔵元が近いせいか、そのあたりには何軒か、酒粕ラーメンのお店があった。
柚希さんは、その中の一軒に向かって行く。