若旦那の恋は千鳥足





「そろそろ起きた方が良いよ。」

「え?」



まだぼんやりしてる頭で、ゆっくりと目を開くと、間近に柚希さんの顔があって…



「きゃっ!」

「どうしたの?」

「え、あ、だから…か、顔、洗ってきます!」



あぁ、びっくりした。
あんなに近くで顔を見たことなんてなかったから。
……って、逆に言うと、私のすっぴん見られたんだ!
昨夜は、しばらく待ってたけど、柚希さんはなかなか帰って来なかったから、諦めて先に寝て、柚希さんより早くに起きてメイクすればすっぴんを見られずに済むと思ったのだけど、寝過ごしてしまうとは。
失敗だ…
初めての柚希さんのご実家だし、きっと緊張してよく眠れないと思ってたのに、爆睡してたよ。



とにかく、急いでメイクしないと…!
私は今までにないスピードで顔を洗い、手早くメイクを施した。
とりあえず、これで安心。



「お、お待たせしました。」

「早くに起こしてごめんね。
うちは昔からけっこう朝が早くてね。」

柚希さん、あんまり寝てないはずなのに、すっきりした顔してるなぁ。なんでだろう?