若旦那の恋は千鳥足

「ここが母屋なんだ。」



(わぁ……)



まさに、御屋敷だ。
こういうのを見たら、お父さんの言ってた『身分違い』っていう言葉が頭を掠めた。



確かにそうかも~
小さな建売住宅のうちとはあまりに違いすぎるよ。
確かに、身分違いだよ。
大丈夫なのかなぁ?
だんだん心配になって来た。



「ただいま。」

引き戸を開け、柚希さんが声を掛けると、中から和服姿の綺麗な女性が現れた。
一目見て、それが柚希さんのお母さんだと思った。
だって、柚希さんにそっくりだったんだもん。



「柚希、おかえり。
……柚希、こちらさんが…」

「うん、婚約者の岡田ひとみさんだよ。」

「まぁまぁ…遠いとこをよういらっしゃいました。
初めまして。柚希の母の織江です。」

「は、初めまして。
岡田ひとみです。」

「さ、どうぞ、中へ…」

「は、はい、どうもありがとうございます。」

促されるままに、私はお屋敷に足を踏み入れた。