若旦那の恋は千鳥足

(美味しい…!)



特に変わったものが入ってるわけじゃないけど、全てが美味しかった。
料理はもちろんのこと、ご飯の炊き方も絶妙だし、野菜も新鮮だし、ドレッシングもとても合ってる。
さらに、アイスティーはアールグレイだったんだけど、香りが良くて爽やかで、割と濃厚なハンバーグの後にはちょうど良かった。
柚希さんは、黙々とランチを食べていて…



「……どうかしたの?」

不意に目が合って、私はあたふたと慌てた。



「い、いえ。このランチ、すごく美味しいです。」

「そうだね。久しぶりに食べたけど、昔と全然変わってない。
すごく懐かしい味だよ。」

「どのくらい、来られてなかったんですか?」

「最後に来たのが高校生の頃だから、もう十年くらい来てないよ。
この十年でだいぶ見た目も変わっただろうに、それなのにすぐにわかった店員さんはすごいね。」

へぇ、確かにそれはすごいな。
高校生と今じゃ、だいぶ雰囲気も変わってるはず。
それでもわかるのは、たいしたもんだね。



それに、さっきの店員さんの言葉…
やっぱり京都の言葉って良いなぁ。
あぁ、京都に来たんだって気分になったよ。