若旦那の恋は千鳥足

「とりあえず、結婚を反対されるようなことはないと思うから、安心して。」

そういえば、うちに来た時もそんなこと言ってたな。
なんでだろう?
でも、本当にそうなら、気も楽だ。
一応、見た目もちゃんとして来たし、まぁ、嫌われるようなことはないと思うけど…



そういえば、京都の人は何でもはっきりとは言わないって、県民の番組で聞いたよ。
だから、裏に隠された真意を見抜かないといけないんだよね。
難しそうだなぁ。



(あっ!)



「す、すみません!」

「えっ!どうかしたの!?」

「すみません。アイス二つ下さい。」







(ふふっ…)



「……何?」

「いや、本当にカチカチだったから。」

「え?」



中学の時、一部にアイスを食べた人がいて、ものすごく固いって聞いて、ずっと気になってたんだ。
固いけど、すごく美味しいらしいし。
ようやく、それを確かめられる時が来たよ。



(あ、本当だ、美味しい…)

濃厚で、でもしつこくはなくてミルクの味がよくわかる。



「固いけど美味しいね。」

「柚希さん、新幹線のアイスは初めてですか?」

「そうだね。今まで特に気にしたことなかったよ。」

「へぇ、意外です。」

「そうなの?みんな食べるものなの?」

「え、いえ、実は私も初めてなんですけど。」

他愛ない会話に、柚希さんが微笑んでくれた。
それだけで、なんか嬉しい。