若旦那の恋は千鳥足





「じゃあ、それに決めます。」

「どうもありがとうございます。
すぐにお包みしますので、今しばらくお待ち下さい。」



はぁ。思ったよりも高くついた。
けど、第一印象は大切だもん。
仕方ないよね。



年配の店員さんに事情を話していくつか見立ててもらい、その中から、ネイビーのワンピースを選んだ。
襟と袖と裾にレースがあしらわれていて、上品な雰囲気のものだ。
それに合うバッグと靴と帽子も新調した。



なんて言うか、完璧な『よそ行き』だ。
これならきっと、柚希さんのご両親にもウケは良いはず。



あぁ、なんだかワクワクして来た。
柚希さんのご両親に会うのは緊張するけど、京都に行くのはなんだか嬉しい。



(あれ……?)



そういえば、当日は実家に泊まるのかな?
それとも、ホテル?



(ホ、ホテルって……)



もし、ホテルだとしたら、部屋はどうなるの?



ま、まさか…同じ部屋!?



そ、そうだよね。
私達、もうじき結婚するんだし、そういうことがあっても不思議はないよね。



(きゃーーー!)



そうは思っても、やっぱり照れる。
私は、そのまま下着売り場に向かった。