若旦那の恋は千鳥足

『明日、両親から馴れ初めとか訊かれたらどうするんですか?』

『ありのままを話せば良いんじゃないの?』



えーっ…
それはやっぱりないんじゃないかなぁ?
そんなこと言ったら、絶対反対されるはず。
あれ?やっぱり私、反対されたくないのかな?



(あ、そうだ…!)



『相席がきっかけってことにして、付き合って半年っていうのはどうでしょう?』

『君がそうしたいのなら、それで良いよ。』

『その方が、親もきっと安心すると思うんです。』

『そうなんだ。だったら、そうしようか。』

話はすんなりと決まった。



『あ、あの…明日の服装はどうしたら良いですか?』

『なんでもいいよ、君の好きな服装で。』

そうなんだ?
考えようによっちゃ、それって、気合いが入ってないってことなのかな?
普通、結婚の挨拶って、かなり緊張するっていうのに。



そう思うと、少しだけ寂しい気はしたけれど、仕方ないよね。



でも、気合いや緊張なしで挨拶に行くってことは、どういうこと?
慣れてるってことなのかな?



(えっ!?まさか、結婚詐欺とか!?)



「えーっ!」

私は部屋でひとりで絶叫した。