若旦那の恋は千鳥足

「ごめんね。急な話で。」

急な話であたふたしてるのは私も同じだけど、そんなことは言えない。



「ねぇ、当日はどんな服装が良いかしら?
やっぱり、着物くらい着ないといけない?」

「いや~、そこまでしなくて良いと思うよ。
あ、お母さんのお気に入りの、ほら、ピンクの花柄のワンピース、あれなんかどうかな?」

「あんなので良いの?」

「うん、十分だよ。」

私、服装のことなんて考えてもなかったよ。
何着て行こう?
やっぱり、それなりの格好しないといけないのかな?



「ところで、ランチのメニューは何が良いかしら?
柚希さんって、苦手なものは何かある?」

「え?えーっと、確か、特にはなかったみたい。
お母さんの料理、楽しみにしてたよ。」

「まぁ、そうなの?
じゃあ、頑張らなきゃね。」

適当なことを言ったら、途端にお母さんの機嫌が良くなった。
ボロが出たらまずいから、柚希さんの話がなるべく出ないように話を逸らして…



「じゃあ、土曜日にね。
おやすみなさい。」

電話が終わった時は、ほっとした。
隠し事をしてるのは、体に良くない。
でも、当日は当日でまた大変そうだな。
考えると頭が痛い。



悩みながら、私はまたフルーツロールに手を伸ばした。