若旦那の恋は千鳥足

安くて美味しいイタリアンの店に向かった。
私が奢れるのは、せいぜいこのくらいのものだ。



「宏さんとはうまくいってるの?」

「……まぁね。
彼とは喧嘩することがないからね。」

二年程前から付き合い始めた宏さんとは、もしかしたら結婚するんじゃないかなぁ?と思ってる。
宏さんを紹介された時、すでに夫婦みたいなお似合い感があったから。



今までは良く愚痴も聞いてたけど、宏さんの場合はほとんどそれがないから、きっとかなり気が合ってるんだと思う。



でも、なかなか結婚しないね。なんでだろ?



ふと思い浮かんだ質問を、由香にぶつけた。



「う~ん…そうなんだよね。私もよく分からないんだけど、強いて言うなら、時期を逃した感じかなぁ。」

「えっ?そうなの?」

それは意外な答えだった。
時期を逃すなんて、あるのかな?



「うん。なんか今、とっても居心地が良い感じなんだよね。
結婚するとなると、いろいろ大変だし、なんかその必要性を感じないっていうか…」

そういうもんなのかなぁ?



(あ!)



「あ、あのね、由香…
友達で会ったその日にプロポーズされた人がいるんだけど、それってどう思う?」

私は気になっていたことを質問した。