若旦那の恋は千鳥足





(はぁぁぁ~…)



なんだか、全くやる気が出ない。
いや、やる気が出ないっていうのとはちょっと違うかな。
いつもの時間に何とか起きて、ちゃんと仕事には来たけれど、全く集中出来なくて、小さなミスを連発してしまった。



「岡田さん、今日はどうかしたの?」

「…えっ?」

「さっきから、ため息ばっかり吐いてるし。」

「え?あ、そ、そうでした?」



私は、とりあえず、ヘラヘラ笑って誤魔化した。



だめだ、何とかしないと!
私は、帰りに友達と会うことにした。
私一人ではどれだけ考えてもこのもやもやは晴れそうになかったから。








「ねぇねぇ、どうしたの?
何か良いことでもあった?」

「別にないよ。ただ会いたかっただけだから。」

見栄なのか、何なのか…なぜだか本当のことは言えなかった。



夕飯を奢ると言ったら、由香は快く来てくれた。
由香とは高校からの友達で、お互い、悩みの相談等も出来る仲だ。
若い頃は、由香の恋の悩みによく乗ってあげた。
いや、ただ、愚痴や惚気を聞いてただけかな。
由香はけっこうモテるし、恋愛経験も豊富だから、私みたいにモテない者に相談したって、どうにもならないもんね。