若旦那の恋は千鳥足





「王様、王妃様、ご結婚おめでとうございます~!」




(え?)



バルコニーの下には大勢の人々が集まり、手や旗を振っていた。



(あ…)



ふと、横を見ると、真っ白なタキシードを着た柚希さんが、手を振っていた。
私も純白のウェディングドレスを着ている。




(私達、結婚したんだ…)

なんだか嬉しいような照れくさいような気持ちに、胸が熱くなる。



「騙されてはいけない!」



一人の女性が、前に歩み出た。
黒くて足元まである長いローブを着て、顔はヴェールで見えない。



「その女に騙されてはいけない。
そやつは魔物だ!」

女性は、手に持った杖で私を指す。




(えっ!?)



若い女性が甲高い悲鳴をあげ、人々は、ざわざわとざわめく。
私の頭は痛み、生暖かい血が私の顔を伝うのを感じ、手で拭った。



(何?何がどうなったの?)



「き、君は…」

柚希さんが、強ばった表情で私をみつめた。



「え?」

「君は魔物だったのか!」

「ま、魔物!?
ち、違います!私はごく普通の人間です!」

「嘘を吐くな!
その角が、黒い血が魔物の証拠だ!」

「えっ!?」



確かに、私の手は黒く染まっていた。
頭に手をやると、角のようなものがある。



「そ、そんな…
い、いやぁ~~!」