若旦那の恋は千鳥足





「え、えっと…お茶でも飲みますか?」

柚希さんは、ふふふと笑う。



もう、嫌な感じ。
私が照れてることを知って、笑ってるんだ。



「じゃあ、ワインでももらおかな。」

「は、はい。」

私はそそくさと、ワインを用意した。



「あぁ…髪の毛、ええにおいやなぁ。」

私は黙って、ワインをグラスに注いだ。



「……君も飲んだら?」

「はい。」

そうだね。こんな時は少し飲んだ方が良いかもしれない。
私がグラスを持って来ると、柚希さんがワインを注いでくれた。



「君はほんまに可愛いなぁ。」

どういう意味?
またからかわれてるのかな?



「新婚旅行、早く行かなね。」

「え?でもまだ当分は無理なんじゃないですか?
これから、開業するわけですし。」

「……僕もハネムーンベビーが欲しい。」

「え…?」

顔が熱くなり、柚希さんはそれを見てまた笑った。



「僕らの方が先に結婚したのに、子供は先越された。
悔しいなぁ。」

本気で言ってるのか、冗談なのかわからない。



「焦らなくてもそのうち出来ますよ。」

冷めたふりをして、私はそう言った。