若旦那の恋は千鳥足

*



「今日は楽しかったな。」

「はい、そうですね。」

「なぁ、僕の関西弁…なんかおかしない?」

「いえ、おかしくはないですよ。」

「ほんまに?」

「はい、本当です。」

「良かった…
なんかね、久々にしゃべったせいか、まだ違和感があるんよ。
もしかしたら、イントネーションがおかしいんじゃないかとか、気になってね。」

「ご心配なさらなくても、おかしいところはありませんよ。」

私がそう言うと、柚希さんは安心したみたいに微笑んだ。



「でも、どうして、急に?」

「……なんで、かな。
なんか、急にしゃべりたなってん。」

「そうなんですか。」

私もそのうち関西弁が喋れるようになるかな?
私が関西弁をしゃべったら、みんなびっくりするだろうな。



「それはそうと…
麗華達、もう子供やなんて羨ましいな。」

羨ましい!?
じゃあ、柚希さんも子供が欲しいの?



「ゆ、柚希さんはどんな子が欲しいですか?」

「どんなって…どんな子でもええよ。
ひとみは、なんか特別な希望でもあんの?」

「え?そ、そうですね。
柚希さん似なら良いかなって。」

「どうして?」

「どうしてって…私に似たら見た目も頭脳もぱっとしないし…」

「そんなことない。君に似たら、すごいええ子が出来ると思うよ。」

思いがけないことを言われて、私は何も言うことが出来なかった。