若旦那の恋は千鳥足





「今日は楽しかったな。」

「はい、そうですね。」

「なぁ、僕の関西弁…なんかおかしない?」

「いえ、おかしくはないですよ。」

「ほんまに?」

「はい、本当です。」

「良かった…
なんかね、久々にしゃべったせいか、まだ違和感があるんよ。
もしかしたら、イントネーションがおかしいんじゃないかとか、気になってね。」

「ご心配なさらなくても、おかしいところはありませんよ。」

私がそう言うと、柚希さんは安心したみたいに微笑んだ。



「でも、どうして、急に?」

「……なんで、かな。
なんか、急にしゃべりたなってん。」

「そうなんですか。」

私もそのうち関西弁が喋れるようになるかな?
私が関西弁をしゃべったら、みんなびっくりするだろうな。



「それはそうと…
麗華達、もう子供やなんて羨ましいな。」

羨ましい!?
じゃあ、柚希さんも子供が欲しいの?



「ゆ、柚希さんはどんな子が欲しいですか?」

「どんなって…どんな子でもええよ。
ひとみは、なんか特別な希望でもあんの?」

「え?そ、そうですね。
柚希さん似なら良いかなって。」

「どうして?」

「どうしてって…私に似たら見た目も頭脳もぱっとしないし…」

「そんなことない。君に似たら、すごいええ子が出来ると思うよ。」

思いがけないことを言われて、私は何も言うことが出来なかった。