若旦那の恋は千鳥足





「本当にひとみさんは料理がお上手ですね。」

「いえ、そんな…」

「なんやの。あんた、料理なんか出来へんでええて言うたやんか。」

「麗華は仕事が忙しいんやから、家事なんかせんでええ。
それは本心やで。
でも、ひとみさんの料理が美味しいのは事実やからな。」

「あぁ~、やっぱり、ほんまは料理上手な奥さんが良かったんやろ!」

「だから、そうやないって。」

大丈夫なのかな?って心配はしつつ、でも、気の利いた言葉が思い浮かばずに、私はオロオロするだけだった。



「ほんまか?ほんまに、料理が出来へんでも、うちのことが好きなん?」

「好きに決まってるやろ。
この世で一番麗華が好きや。」

「ほんまか~?」

「ほんまにきまってるやろ~?」

「ほな、チューして。」

二人はいきなり熱い口付けを交わす。
私は思わず俯いた。



「えらい見せつけてくれるやん。」

「新婚やからな。
あんたらも見せつけてくれてええで。」

柚希さんは苦笑する。
麗華さん達は、ラブラブな上にオープンだね。
私達も新婚だけど、とてもあんなことは出来ない。



あ、そっか…
忘れてたよ。
私達は割り切った関係なんだ。
心底ラブラブな麗華さん達と違うのは当たり前だった。