若旦那の恋は千鳥足

いえいえ、めちゃめちゃ不思議ですから。
今まで、標準語しか話さなかった柚希さんが関西弁だなんて、一体、どうしたんだろう!?



「柚希が関西弁て、なんかバリバリ違和感やわぁ。」

「こっちに住むんやから、関西弁の方がええやろ。」

柚希さんは、どこか少し照れてるみたいに見えた。



「そうそう。その方がええわ。
関西で標準語つこたら、なんかイキってるみたいに取られるもんな。」



生きてるみたいに?
どういうことだろう。
やっぱり、こっちに住むからには、私も関西弁を話した方が良いのかな?



「う、うちも関西弁にした方がええどすか?」



柚希さんと麗華さんは私の顔を見て、やがて、くすくすと笑った。



「君は、元々東京なんだから、無理しなくて良いよ。
こっちに住んでるうちに少しずつ慣れていけば…」

「そ、そうですか。」

やだな。私の関西弁、おかしかったのかな?
頑張って言ったのにな。



「柚希…ひとみには、標準語になるんやな。
ある意味、バイリンガルやな。」

柚希さんは苦笑する。
でも、確かに器用だよね。
私に話す時だけ、標準語になるなんて。