若旦那の恋は千鳥足

「まだまだやることはあるけど…ようやく一段落着いた感じだね。」

「そうですね。お疲れ様でした。」

雪乃さん達が帰ってから、私達はリビングで話していた。



「東京の家具や家電は全部処分して、こちらで新たに買い揃えようね。」

「え、もったいないんじゃないですか?」

「ここでは新たな気分で暮らしたいからね。」

「そ、そうなんですね。」

柚希さんがそうしたいなら、そうするしかないよね。
処分するなら、実家に貰っても良いかな?
テレビとか、実家のよりだいぶ大きいし。
そんなこと言ったら、せこい奴って思われるかな?



「今夜はホテルに泊まって、明日、買い物に行こう。」

「ご実家に帰らなくて良いんですか?」

「君は本当に冷たいね。
僕達はまだ新婚なんだよ。
邪魔者のいないホテルの方が良いじゃない。」

本気なのか、からかわれてるのかよくわからない。
柚希さんの熱い視線にドキドキする。



「ベッドも買わなきゃねぇ…」

意味深に思えるのは、私の考え過ぎ!?



「え、えっと、開院祝い、早くやりたいですね。」

話題を無理やり切り替えた。



「ある程度、家具が揃ってからだね。」

「そ、そうですよね。」

そう言って、私は愛想笑いを浮かべた。