若旦那の恋は千鳥足






「美味しいよ、君は料理が上手だね。」

「いえ、美味しいのは、食材が良いからですよ。」

「そんなことないよ。
包丁の使い方もうまかったし、とても慣れてる感じがしたよ。」

ちょっとくすぐったいような気分だけど、ほめられて悪い気はしない。
でも、包丁がうまかったのは柚希さんも同じだ。
手伝うっていっても、せいぜい野菜を洗ってくれたり、お皿を出してくれるだけなのかと思いきや、魚を三枚に下ろしたり、野菜の皮をむいてくれたり。
それが、自然で慣れた手付きだったから、びっくりして、普段、自炊でもしてるのか聞いてみたら、ごく、たまに…という答えだった。
まぁ、確かに仕事も忙しいだろうし、暇がないのかもしれないね。



「君と結婚したら、毎日美味しい食事が食べられそうだね。」

返事に困ること、言わないで欲しい。
そりゃあ、結婚したら、毎回私が作るけど…
まだ結婚するとは決めてないんだから。



それにしても、本当に上等な食材だった。
フォアグラやキャビアまであって、びっくりしたよ。
そんなの、今まで使ったこともなかったから、あわててネットで検索したんだから。