若旦那の恋は千鳥足

柚希さんにみつめられて、気まずくなった私は愛想笑いを浮かべた。
困った時は、笑って誤魔化すに限る。
もしかして、柚希さん…私をからかってる?



「ねぇ、分かってる?
僕達、結婚したんだよ。つまり新婚。
なのに、君は僕と二人っきりになりたくないの?」

「え?そ、そんなことはないですよ。」

あれれ?
なんだか絡んで来た?
柚希さん、やっぱり酔ってるのかなぁ?



「君は、本当に僕のこと愛してるの?」

「そ、それはもちろん…」

「でも、君は、僕に愛してるって言ってくれたことがないじゃない。」

「そ、それなら、柚希さんもそうじゃないですか。
そんなこと、一度も言ってくれなかった…」

だって、柚希さんは私の事なんてなんとも思ってないんだもん。
仕方ないよね。
仕方ないとはわかっていても、考えたらたまらない気持ちになった。



「え、そうだっけ?
僕…今まで言わなかった…?」

私はただ黙って頷いた。



「……そっか、ごめんね。」

「いえ……」

「……言わなくても伝わるのかと思ってた。」

「え?」

ずるいな。
まるで、柚希さんは私のことが好きみたいな言い方をする。
柚希さんに愛がないことは、わかってるのに。