若旦那の恋は千鳥足





「今日は疲れたでしょう?」

「ええ、まぁ。でも、楽しかったです。」

会食が終わり、私達が家に戻って来たのは9時過ぎだった。



「……ちょっと飲もうか。」

「はい。」

私が立ち上がろうとしたら、柚希さんがそれを制して…
ワインとチーズを持って来てくれた。



「さっきも乾杯したけど、もう一度しようよ。
僕達の結婚を祝して…乾杯!」

私達はグラスを合わせた。
本当に今日は何回も乾杯したな。
でも、二人っきりでする乾杯はやっぱり特別だ。



柚希さんはちょっと酔ってるのか、なんだか話のキレが良くない。



「ねぇ、どうして実家に泊まりたいの?」



あれ?柚希さん、実家に泊まるのが嫌だったのかな?



「柚希さんは嫌なんですか?」

「嫌とかいうわけじゃないけど…」

「じゃあ、良いじゃないですか。
私、あの町が好きなんです。
だから、また行ってみたくなって…」

柚希さんは苦笑いを浮かべただけで、それ以上は特に何も言わなかった。



「君は意外と冷たいよね…」

「えっ!?」

「僕は、君と二人っきりで過ごしたかったのに。」

そう言って、咎めるような視線を私に向けた。