若旦那の恋は千鳥足

服も着替えたかったけど、柚希さんがいるから着替えられず…
何も無いから、とりあえず、冷蔵庫にあった水を出す。
ここは昭和の喫茶店か!



「あの…一体、どうしたんですか?」

懸命に平静を保ちながら、私は訊ねる。



「うん、今日は君と出かけようと思ってね。」

「そ、そうなんですか?」

なんでだろう?
今日は記念日でもなんでもないよね。
しかも、柚希さんは、仕事もあるはずだし。



「どこか行きたいところはある?」

「え?い、いえ。」

そんな急には思いつかないよね。



「じゃあ、僕が適当に決めるね。」



そ、そうなんだ。
何が何でも出かけるんだね。



「わかりました。そしたら…準備しますので。」

「じゃあ、僕は車で待ってるよ。」

「はい、すみません。」



察しの良い人で助かるよ。
柚希さんが出て行ってから、私は大急ぎでシャワーを浴び、服を着替えてメイクをした。
ようやくどうにか人前に出られるレベルに到達し、私は走って外へ飛び出した。



柚希さんの青い車はすぐにみつかった。
私が近付くと、待ち構えてたみたいにドアが開く。



「お待たせしてすみません。」

「気にしないで。
さてと…まずは腹ごしらえかな?
まだ何も食べてないんでしょう?」

「え、ええ、まぁ…」

「了解!」

柚希さん…なんか、元気だね。