若旦那の恋は千鳥足

寝ようとしたら、玄関のチャイムが鳴った。
うちまで来る人って滅多にいないし、どうせ、なんかのセールスだ。
そう思って無視した。
だけど、チャイムはなおも鳴り続ける。



(もーっ!何なのよ、鬱陶しい!)



イライラしながら、玄関に向かった。



「どなたですか!?」

思いっきり不機嫌な声で問う。



「僕だよ、柚希。」

「えっ!?」

びっくりして鍵を開けたら、本当にそこには柚希さんが立っていた。



「ど、どうして?」

「とりあえず、座って話そう。」

「は、はい。」

成り行きで家にはあげたけど…
わ!私、思いっきりボロな部屋着着てた。
顔だって、ちゃんと落としてないけど、泣いたから化粧は落ちてるし、部屋は柚希さんの家に慌てて行ったあの時のままだから、なんか散らかってるし…



そういえば、昨夜は由香の家に泊まるって嘘吐いたはずなのに、なんで?
わぁ、どうしよう!?



どうしようって言ったって、もうどうしようもない。
そこらに散らばってる服やものを素早く片付けて、なんとか、柚希さんの座るスペースを確保した。



「ここに座って下さい。」

そう言って、私は洗面所に向かった。
せめて、顔くらいは洗わなければ…!