若旦那の恋は千鳥足

「あの…どんなことですか?」

「実は、ね……」

それだけ言って、柚希さんは俯いて口を閉ざした。
だいぶ言い難い話のようだ。



「え、えっと…言い難いのなら、無理して言わなくても良いかなぁ…な~んて。」

私は笑って誤魔化した。
なんだか、聞くのが怖くなって来たから…



「いや……話さなきゃ。
これは話さなきゃいけないことだ。」

柚希さん、ものすごく深刻な顔してる。
どうして?
どうしてそんな顔してるの?
不安な気持ちがどんどん大きくなっていく。



「僕が…君と結婚する理由…それは…」

「え?」

確か、理由は、運命だったんじゃ…



「それはね、君が東京の人…だったから。」

「え、え?」

えっと…意味がよくわからないんですけど。



「君のご実家も東京だった。
だから…結婚を決めた。」



どうしよう?
全然、意味がわからない。
柚希さん、一体、何を言ってるの?
私、そんなに頭悪かったっけ?
今の私はきっと馬鹿みたいな顔してると思うけど、仕方がない。
本当にわからないんだもん。