若旦那の恋は千鳥足

最初は驚いたお母さんも、そのうちなんだかきゃっきゃ言い出して…
えらく喜んでるみたい。
普段は結婚の話なんて滅多にしなかったし、諦めてるんだと思ってたけど、やっぱり娘に結婚話が来たら嬉しいものなのかなぁ?
しかも、こんなかっこいい人だと知ったら、ますます喜ぶだろうね。
お母さんは、若いイケメンが大好きだから。



「……はい、では土曜日に。
お会いするのを楽しみにしています。」

通話は終わり、柚希さんがスマホを私の前に差し出した。



「土曜日のお昼頃に伺うことになったから。
お母さんが、ランチをご馳走して下さるらしいよ。」

そうだろうな。
お母さんは、料理を作るのが大好きで、さらに振る舞うのが大好きだから。
でも、柚希さん、お金持ちそうだし、庶民の手作り料理なんて口に合わないんじゃないかなぁ?
……って、いや、違う。
心配しなきゃいけないのは、そんなことじゃない。
土曜日に、結婚の挨拶に行くことになったんだよ。
まだ出会って二時間ちょっとしか経たない、名前しか知らない人と結婚するかもしれない状況になってるんだよ。



(ど、どうしよう!?)