若旦那の恋は千鳥足

「あんた、お世辞が過ぎるわよ。
こんな素人料理を美味しいと感じるなんて、あんた、普段どんなもの食べてるのよ。」

うわっ、出たよ。
まぁ、麗華さんならこのくらいは言うだろうと思えるから、傷は浅いよ。
気分は良くないけど、無視、無視。



「お世辞やありませんよ。
本当に美味しいと思てます。」

「だから…関西弁はやめなさいってば。」

「別にええやん。
ひとみさんの料理食べとったら、なんや関西弁が喋りたなんねん。
関西風の味付けやからやないかなぁ。」

「……勝手にすれば。」

なんだか嬉しいなぁ。
私の料理で関西のことを思い出すってことだよね。
関西風の味が上手く出来てるってことだよね。
柚希さんもよく出来てるとは言ってくれてたけど、ますます自信が出て来たよ。



「ひとみさんもこっちに来て一緒に食べましょうよ。」

「ありがとうございます。
あとひとつだけ作ったら、そうさせていただきます。」

そう、今日のメイン、カレーうどんを作らなきゃならない。
カレーは家庭風のを作ることにして、前の日から煮込んでおいた。