若旦那の恋は千鳥足

「じゃあ、まずは乾杯ね。」

四人がテーブルに着いて、グラスを持ったところで…



「あなたは料理を作らなきゃいけないでしょ。
ワインなんか飲んで大丈夫なの?」

「え…あ、あぁ、そうですね。」

「一杯くらい大丈夫ですよね。」

「い、いぇ…ワインは後でいただきます。」

朝宮さんがフォローしてくれたけど、麗華さんの目は明らかに「飲むな!」って言ってた。
いや「飲むな!」っていうよりは、「お前、どっかに行け!」って感じかな。
はいはい、そうしますよ。
おっしゃる通り、邪魔者は消えます。



「じゃあ、皆の健康と幸せを祈って、かんぱーい!」

私は台所に立ち、三人はグラスを合わせた。
飲まなくていいから、乾杯だけでもしたかったけど…まぁ、いいや。



ワインを飲んでるから、おつまみ代わりに豚としょうがの炒めものと昨夜から作っておいたポテサラを出す。



「チーズはないの?」

「はい、あります。」

「じゃあ、チーズちょうだい。」

「……はい。」

何?もしかして、私の料理は食べたくないってこと?
イラッと来たけど、まぁ、怒っても仕方がない。
麗華さんはそういう人だもん。
気持ちを切り替えて、カマンベールチーズを切って出した。