若旦那の恋は千鳥足

「あの~…
良かったら、柚希さんに会われませんか?」

「えっ!?」

やっぱり嫌かな?
親が決めたとはいえ、婚約者が付き合ってた男性と会うのは…



「麗華さんのことも、話し合われたら良いんじゃないでしょうか?」

「……確かに、そうかもしれませんね。」

「じゃあ、柚希さんに連絡しますね。」

「……はい。」



成り行きとはいえ、けっこう大変なことになってしまったかも。
柚希さん、嫌がるかな?
そりゃあ、嫌だよね。
あぁ、なんか失敗したかも。



「ねぇねぇ、どうだった?」

由香が待ちかねたように質問する。



「うん、実は…
あ、その前にちょっと柚希さんに連絡するね。」

私は現在地を柚希さんにLINEした。
婚約者さんのことは書かなかったけど、大丈夫だよね?



『了解。今から向かいます。』

返信はすぐに来た。



「あの人なんだけど、実はね…」

私は由香にあの人のことを伝えた。



「えーっ!なんだか、かなりややこしいことになってるね。
でも、とりあえず、殺し屋じゃなくて良かったよ。」

「うん、それでね。
柚希さんに会わせることにしたんだ。」

「えっ!婚約者を?」

「そう。まずかったかなぁ?」

「いや、まずくはないとおもうけど…」

歯切れの悪い由香の言葉に、私は一抹の不安を感じた。