若旦那の恋は千鳥足

「そうなんだ。じゃあ、君に任せるよ。
あ、式は早い方が良いよね。
僕は結婚式については特に希望はないから、全部君に任せるよ。何でも言って。」

「は、はぁ……」

結婚式か~…
やっぱり、ジューンブライドには憧れるよね。
長いヴェールとドレスの裾も長いのが良いな。
神父さんは外国人で…
柚希さん、カッコイイから白いタキシードも似合うだろうなぁ。
そんな柚希さんを想像したら、なんだかとっても幸せで……



「どうしたの?ぼんやりして……」

「えっ!?な、なんでもありません。」

確かに幸せなことではあるよね。
こんなにカッコイイ柚希さんと結婚出来るなんて。
私みたいに、これと言って誇れるもののない者が、柚希さんみたいにカッコイイ人と結婚出来る確率はすごく低いはずだ。
しかも、柚希さんはお金持ちなんだから。



誰もが飛びついてしまいそうな好条件。
でも、だからこそ、怖いんだよね。
何か裏があるんじゃないか?って、気になるんだよね。
私も三十路なんだもん。
そのくらいのことはわかるよ。



「じゃあ、ご挨拶は週末にしよう。」

「えーっと。週末は、まだ両親の予定がわからなくて。」

「じゃあ、今、電話して聞いてみてよ。」

「えー…は、はい。」



出ないでくれと祈りながら、私は実家に電話をかけた。