若旦那の恋は千鳥足

探偵だと思ったら、急に恐怖心がなくなって…
さりげないふりをして、また後ろを覗き見た。



うん、あの人が殺し屋のはずはないよね。
優しそうな顔してるもん。



馬鹿みたい。
勝手に勘違いして、怖がってたなんて。
なんだか、馬鹿馬鹿しくて笑いが込み上げて来た。



「どうかしたの?」

「うん、ちょっとね。
それはそうと、由香に相談があるんだけど。」

「何?麗華さんって人のこと?」

「まぁ、そうかな。実はね…」

私は気になってたことを由香にぶちまけた。
洗いざらいなにもかも。



「……なるほど。
それは辛かったね。」

「ねえ、由香には柚希さんの気持ちがわかる?」

「わかるっていうか…共感は出来ないけど…
柚希さんは嘘が吐けない人なんだろうね。」

「じゃあ、やっぱり麗華さんのことを……」

「違う違う。
麗華さんに対して、恋愛感情みたいな気持ちはないと思う。
でも、柚希さんは麗華さんのことをもっと広い意味で、つまりは人として見てるんだと思うよ。
麗華さんとの付き合いがどのくらいなのかは知らないけど、きっとそれなりの年月があって、その間に麗華さんの良い部分もいろいろ知ったんじゃないかな?」

「え……」

なんだか胸が痛んだ。
この感情は、やっぱり嫉妬だ。
私は麗華さんに嫉妬していると確信した。