若旦那の恋は千鳥足

「柚希さんを呼び出しても大丈夫かなぁ?」

「大丈夫って?」

「だから……その前に、あのね。この前の同僚の話なんだけど、実は麗華さんが関わってたってことがわかったんだ。」

「どういうこと?」

「麗華さんがうちの吉田さんに嘘を吹き込んだんだ。
柚希さんがホストで、私は風俗で働いて柚希さんに貢いでるって。」

「なにそれ、酷い!
だから、みんな、あんたを無視してたんだね。卑怯な手を使うなぁ。」

「そんなことする人だから、やっぱり殺し屋を雇ってもおかしくないんじゃないかな?
この前は失敗したから、今日こそは仕留める、とか思ってたら、柚希さんも危険な目にあうんじゃないかって、心配なんだよ。」

「いや、多分、殺し屋はないよ。
あの人を見てても、やっぱり人を殺すとは思えない。
でも、麗華が雇った男だって線はあるね。
もしかしたら、あんたの行動を見張らせてるんじゃないかなぁ?」

なるほど。
麗華さんは興信所で私のことも調べたみたいだし、たとえば、探偵を雇って、私の様子を見張らせてるってことはあるかもしれないね。
確かに、あの人は殺し屋って柄じゃない。
でも、探偵には見えなくもない。
そっか。探偵だったんだね。