若旦那の恋は千鳥足





「そうか、やっぱり麗華が…」

吉田さんに面通しをしてもらい、酷い嘘を吹き込んだのは麗華さんだと判明した。
そのことを伝えると、柚希さんはどこか悲しそうだった。



「あの…麗華さんって、どんな人なんですか?」

ふと私はそんなことを訊ねていた。



「そうだね。優秀な人だよ。
それに、明るくて積極的だ。」

その返事にちょっとショックを受けた。
だって、それらはすべて褒め言葉なんだもん。
もしかして、柚希さんは今でも麗華さんのことを…



「君にはそうは思えないだろうね。
でも、君が知ってる麗華がすべてじゃないよ。
麗華には良い部分もたくさんあるんだ。」

うわ~…そんな言葉、聞きたくなかったなぁ。
ますます不信感が募ってしまう。



「柚希さんは、麗華さんのことが今でも好きなんですか?」

「それは違うよ。
僕は、確かに麗華と付き合ってはいたけれど、元々、恋愛感情はないんだ。
酷いとは思うけど、彼女とは割り切った関係だったから。」

うん、確かに酷いよ。
元々恋愛感情がないなんて、それはあんまりな言い方だと思う。



「恋愛感情はなかったけど、ひとりの人間としては好きだったよ。
最近の彼女は酷いことばかりしてるけど、でも僕は彼女の良い面も知ってるから嫌いにはなれない。」