若旦那の恋は千鳥足

「いくらなんでも、今日はまずいかな?」

「まずいって、何がですか?」

「君のご両親へのご挨拶。」

「ヴッ!」



あまりにびっくりして、私はミルクティーに溺れかけた。
ご、ご、ご挨拶って、まさか、この人……



「大丈夫?」

柚希さんは、私の背中を優しくさすってくれた。



「だ、大丈夫です。」

いや、大丈夫じゃないか。
この人、本気で言ってるのかな?



「いつくらいにしようか?」



は?
まだ言ってるの?
おかしくない?
私達、ついさっき会ったばかりなのに、どうして結婚の話が出るの?



「……どうかしたの?」

いえ、どうかしてるのは私じゃなくて、あなたの方ですから。
心の中ではそう思ってたけど、悲しいかな。
私にはそれを口に出す勇気がなかった。



「えーっと…私達、今日会ったばかりですよね?」

そうだ。論理的に落ち着いて話したら柚希さんも正気を取り戻すかも。
有り得ないとは思うけど、もしかしたら、柚希さんは私に一目惚れして舞い上がってるだけかもしれない。



「そうだよ。
確か、二時間くらい前かな?」

あれ?このあたりはけっこう冷静だね。
じゃあ、やっぱり一目惚れではないかな?