短編『ラブミー、秋津くん』



 夏期休暇になり、すぐに帰省したものの、数日でこの1人暮らしの住まいに戻ってきた。

 なぜなら、秋津くんとの通話ライフを思う存分にエンジョイしたいからだ。


 実家にいると、母からの早く寝なさいという圧でおちおち電話もできないのである。


「弟が私の通っていた高校と同じ高校に行ってるんだけどね。この間帰省したら、その弟が開口一番で『宿題出さなくても怒らない先生っている?』って言ってきたんだけど。駄目なところが私に似ちゃっているよ、あはは」


「弟さんがいるんだ。楽しそうだね」

「うん! こっちの服の方が似合うよって言ったら、怪訝そうな顔をするんだけど、なんだかんだ素直に聞いてくれるの。可愛いでしょ」

「はは、そうだね。せっかく帰省したのに、すぐにこっちへ戻ってきてよかったの?」


 うっ。

 痛いところを突かれてしまった。


 秋津くんともっと話がしたいからだよ、なんて素直に言えたらどんなにいいだろう。


「ま、まあ、こっちでも遊びたいし! 秋津くんは? 帰らないの?」

「僕は来月に帰る予定だよ」


 尋ねてみて気づいたが、秋津くんも帰省するであろうということを失念していた。

 私も来月になったらもう一度帰ろうかな。