ぴーまんじゃなくて、ぴーめん

(どうしよう…)

学校まで、戻ってきてしまった。

教室には、誰もいなくて、私1人だった。

…泣きそう。

でもまだ、付き合うって決まったわけじゃないし、落ち込んでる暇はない…よね…?

「なんかあったの。」

声がきこえてびっくりした。

振り返ると、鈴野くんがいた。

きっと、部活終わりなんだろう。

人はいないと思ってたのに…

「部活?お疲れ様!」

作り笑顔でそう言う。

「……別に無理して笑わなくていい。」

「えっ、?」

びっくりした。

無理して笑ってることに気づかれるなんて。

陽菜や蓮でさえ、私の作り笑顔にはいつも、気づかないのに。

どうして鈴野くんにはわかられたのかな。

『別に無理して笑わなくていい』

そんなこと言われたら泣きそうじゃん。

せっかく我慢してたのに。

「っ、…ご、…めん、。」

「別に謝らないでいい。俺の前では泣いてもいいから。我慢しないで。」