ぴーまんじゃなくて、ぴーめん

「じゃあ順番にクジ引いてねー」

先生がそう言った。

今は、キャンプを一緒にまわるメンバーの、クジ引きだ。

私は……4班か。

蓮は何班なのかな。

(同じ班だったらいいな。)

そう思いながらも、同じクラスで4班の子を探す。

1班6人で、そのうち3人はうちのクラスだから、残り2人を見つければ良い。

「なぁ。」

頭の上で声がした。

「はいっ」

返事しながら振りむくと、そこには無口イケメンで有名な、鈴野朝陽くんがいた。

「4班?」

「4班だよ!鈴野くんは?」

「…4班」

…あきらかに嫌そうな顔するじゃん。

しかも、間があったよね。

私と同じ班なのがそんなに嫌なのか。

ちょっとショックだけど、まぁ関わらなければいいだけの話だよね。

後1人は誰かなー?

「4班の子いる〜?」

「はい!はい!私4班だよー!」

そう元気よく話しかけてくれたのは、同じクラスの櫻木由奈ちゃんだった。

「よかったぁ。一花ちゃんと同じ班で!これからよろしく!」

ほんと、素直で可愛いなぁ。 

「こちらこそよろしくね!」

由奈ちゃんと一緒でよかった!

楽しくなりそう!

「おーい、班になったらそれぞれ集まって席に着けー。キャンプの流れを説明するぞ〜」

「「はーい」」

「まず、朝はー……」

どうしても、蓮が何班だったのかが気になる。

もし、美麗ちゃんと一緒だったらどうしよう。

2人で仲良くやって、好きになっちゃったりして…

それだけは絶対、やだ!!!

この前、聞いた時には、美麗ちゃんのことは異性としてすきじゃないって言ってたけど…

今はもうわからない。

だって、放課後一緒に帰るために、クラスまで蓮を迎えに行ったら、美麗ちゃんとすっごく楽しそうに話してるときもあるし…

美麗ちゃんは、蓮のことをどう思ってるのかな。

もし美麗ちゃんが蓮のことを好…

「おい。」

「ん?」

「今の話聞いてたか?」

あ、やばい。蓮のことを考えすぎて全然聞いてなかった…

「ごめん!!聞いてなかった!」

「一回しか言わねえから聞いとけよ」

そういって、鈴野くんが説明しはじめてくれた。